故郷への帰省支援(チベット難民)

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長年故郷から離れて生活する子どもたちに
故郷へ帰る支援を

チベット全体
スリランカ仮

活動内容 故郷への帰省支援
活動地域 アルナーチャル・プラデーシュ州
トゥティン村

ダライ・ラマ法王が設立した寄宿学校で学ぶ子どもたち

 トゥティン村はインドの東端、アルナーチャル・プラデーシュ州の中国国境付近にある村で、最も貧しいチベット人居住区です。村は山岳地帯にあるため、自動車で行けない地域がたくさんあり、中には町から歩いて10日もかかる村すらあります。雨期になるとひどい雨が続き、土砂崩れで家屋が倒壊したり、道がなくなるような土地です。そのため、仕事も少なく、経済状況は劣悪です。
 このトゥティン村は貧しいため学校もありません。ダライ・ラマ法王はこの村の状況を大変気にかけられ、ダラムサラに近いチョウンタラに寄宿制の学校を設立し、トゥティン村の子ども達を受け入れています。

数年に一度しか親元に帰れない子どもたちがもっと親元に帰れるように

 何年も長く親元を離れて暮らす子ども達の望郷の念は強く、中にはホームシックにかかる子ども達も出てきます。年長の学生達でさえそうですから、小学校の低学年の子ども達は寂しさで、無口になっていく子もいます。たまには故郷の村に帰してあげて、親や兄弟達の愛情を一杯受けさせてあげたい。そういう思いで始められたのが「帰省支援事業」です。
 トゥティン村は前述のように辺境の地であるため、彼らの帰省には一人7,000Rs.(約20,000円)がかかります。この金額は彼らにとって大変高額であるため、それぞれの子どもは4年に一度しか帰省することはできません。そこで全員を毎年とはいきませんが、25名づつ交代で、愛しい親兄弟の待つ故郷への帰省を支援しています。

子どもたちの成長が村の親御さんたちの喜びに

 昨年は12月18日から2月9日の期間に実施され、チョゥンタラ校を中心に11の学校から83名の学童が帰省しました。今回が2回目の事業でしたが、2005年と、2007年と回を重ねることにより、子ども達は目に見えて落ち着いて明るくなったり、送り出しのトゥティン地方の様子が変化してきています。
 この帰宅事業を行う前は、子ども達がチョウンタラ学校に行ったきりで、村の親御さん達にはその後の変化や様子が把握されず、親元からわざわざ何千キロも離れた学校に修学させる必要性が理解されていませんでした。ところが子ども達がチョウンタラ校から一時帰宅し、学校の様子や学んだことを親や地域の村人に伝えると親たちの考えは一変しました。教育を受けていない村人にとっては、子ども達の変化は大変なカルチャーショックだったのです。

 例えば、衛生教育を受けた子ども達は、歯を磨く事、シャワーを浴びて清潔にする事を村人に教えました。私達にとっては当たり前のことでも気候や生活習慣が違うと、思いも付かないことなのです。さらに、インドで仕事をしたり生活をするのに必要な、チベットの標準語やヒンズー語、そして英語を学んでいることを話しました。
 特に村人が驚いたことは、仏教教育を受けていること、チベットの民族舞踊を踊ったり歌うことができること、そして楽器を演奏できるようになっていたことでした。これは親御さんに大変喜ばれました。
 最近、次第にトゥティン地方からの子どもの送り出しが減少していたのですが、この帰宅事業を開始してからは入学希望者が増え、チゥンタラ校だけでは受け入れきれず、11の学校で分散して受け入れている状態となりました。今後は受入のための寄宿舎の問題が発生するであろうと思われます。

 昨年の帰宅事業に参加した子どもに話を聞いてみました。ドルジェ・ワンチク君16才と妹13才です。
 約50日の休みの間、行き帰りで20日間、家に10日間、後の20日間は家族で巡礼に行ってきたそうです。両親が彼らの帰宅に合わせて寺院への巡礼を計画しました。チベットの人々にとって信仰は生活の全てに影響を及ぼしていることが良くわかりました。
 2人とも恥ずかしがり屋なので、なかなか質問に答えてくれませんでしたが、両親に会えた喜びと久しぶりの一家だんらんの楽しさは伝わってきました。